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読書を楽しむ「斎堂琴湖 燃える氷華」

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17年前の雪の日、北大宮で小学生の町岡遥希が

工場跡地の冷蔵庫の中から発見された

父親は大宮署刑事課の刑事・町岡隼人

母親は大宮西署地域課の交番勤務の町岡未希だった

遥希は近所の同級生蜂屋と窪と3人で遊んでいて

3人が別れた後、遥希は何者かに冷蔵庫に

閉じ込められ、蜂屋は家に帰ったが

夜出かけて、そのまま行方不明になった

窪は心身喪失状態になり

何者かは大人の男だと証言した

事件は未解決のまま今日に至っている

遥希の一周忌の後

隼人は浦和署の交通課へ異動した

未希は大宮署の刑事になった

隼人は浦和署から大宮西署の交通課に移り、未希は浦和西署の刑事課盗犯係りを経て、大宮署の強行犯係に異動し今日に至っている。ふたりは籍を抜かないで16年間別居していた。

大宮駅東口ロータリーに停まっていた1台のバンが爆発し炎上する事件が起きた。被害者はみかみセレモニーの三上秀明だった。被害者は未希の息子の葬儀を執り行った人物だった。三上のアパートを捜査したら競輪の専門誌と借金の督促状が数枚出てきた。未希は隼人と警察学校で同じクラスだった埼玉県警の宇月と捜査担当になった。その後、大宮駅西口前歩道橋の上で男が刺された。被害者は藍崎裕二で大宮駅東口の爆破事件の被害者と同じ会社に勤務していた。

17年前、小学生の悪ふざけからはじまった出来事は、悪意ある大人によって上書きに上書きを重ねられ、車輛爆破事件や刺殺事件へとつながり、さらにその犯人の動機が復讐だったという長いお話でした。こちらが悪意があると考えていなかったことが、相手には悪意ある行為だと認識され復讐へとつながる。今の世の中では思ってもいなかったことで事件が起きていることもあるかも知れないと思う。燃える氷華とは、冷蔵庫の中で死んだ息子をつらら(氷華)に例え、そのつららを溶かして事件を解決すると言うような意味があるのかも知れない。


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