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読書を楽しむ「高瀬乃一 無間の鐘」

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遠州の山寺「観音寺」に人の欲を叶えてくれる

「無間の鐘」がある

その寺の鐘を撞けば

この世で富貴を手に入れることができるが

来世は無間地獄へ堕ちる

人の欲をためす不思議な鐘

わたしの呼び名は「十三童子」。柿衣に八目草鞋、首から結袈裟をかけた修験者の扮装で手に小さな鐘をぶら下げて、欲にまみれた人間たちを誘う。

十三童子が、ある嵐の日に迷い込んだ小屋で船が傾き脱出して、小舟で小屋までやって来た十二人の水主たちに語って聞かせた物語。廻船駒王丸は老朽化が進んだ船だったが蝦夷まで客の移送を依頼された。船には加山何某なる旗本と家臣4名、商人の二人連れの7名が乗船した。銚子を過ぎたあたりから悪天候に見舞われた。船には航海長・善右衛門ほか伊蔵、船頭の治平、客の世話係・清吉、水主の捨三、辰次たちが乗り込んだ。急な雷雨で船が座礁し、加山何某は二艘ある伝馬船一艘で脱出を図り、家臣は伊蔵の配下の水主ふたりに切り殺され、船頭も切り殺した。商人二人は清吉によって荒れる海に落ちていった。伊蔵は御用金を狙う盗賊の一味だった。生き延びた者が伝馬船で入り江に辿り着き、岬の小屋に避難した。小屋で十三童子が伊蔵たちに囲まれて、鐘を奪われ伊蔵が鐘を撞いた。後は自己責任です。




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