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読書を楽しむ「湯本香樹実 夜の木の下で」

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姉と弟は早くに父と母を亡くし
ふたりでなんとか生きてきた
弟が飲酒して自転車に乗ってタクシーと接触し
頭を強く打って意識不明になった

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姉は弟の会社からの足取りを追って、マンションと歩道の間に
ある小さな公園を見つけ、木の下にぽつんとあるベンチで弟が
梅雨の季節の夜の公園で缶酎ハイをおいしそうに飲んだと想像した。

姉は、両親を早くに亡くし弟とふたりでなんとか生きてきた。
姉はベンチに座り弟との昔のことを思い出していた。
弟も生死の境を彷徨いながら姉との思い出に浸っていた。

そして、姉の携帯電話が光った。電話は病院からだった。

この世に身内がふたりだけになり、ひとりが事故で生死の境を彷徨って
いるときに思うお互いの気持ちと言うものはこんなことなのかなぁと
思いながら読んでしまいました。
ひとりは寂しい。