読書を楽しむ「沖方 丁 十二人の死にたい子どもたち」
その建物は医療法人が所有するものだったが 財政難に陥り映像制作会社に買われ スタジオに生まれ変わる予定だった 建物には厳重なセキュリティ・システムが導入されていた 一人の少年が暗証番号を入力し中に入った 受付のカウンターの内側にダイヤル式の小型金庫が置いてあり 少年が金庫を開けると1から12の数字が時計回りに並べられていた 少年は数字の「1」を手に取った この建物には12人の少年少女が集合した。 集合したひとたちはシステムの暗証番号と金庫の場所を事前に知らされていた。 数字の「1」を手にした少年がサイトの管理者のサトシですと自己紹介した。 少年少女が集まった目的は、自分たちの命について選択するためだった。 12人が安楽死を迎えるために集まった。 全員の意見が一致することで安楽死は成立する。 ところが集合場所にひとり謎の少年がいた。 やがて少年少女は自分の身の上話を告白した。 最後の告白は、サトシがした。彼はこの病院の自殺した院長の息子だった。 死ぬために集まったのに、謎の生きているのか死んでいるのかわからない 少年がいて彼を含めるべきかどうかの議論や推理があり、全員の告白があり、 告白に伴うトラブルの発生があり振り回される。 告白がすべて終わった後、彼らが出した結論は。 そして、この集まりの真の目的は何だったかが判明する。 ひとつのアイデア本ともいえる。