読書を楽しむ「ニーナ・ゲオルゲ セーヌ川の書店主」
シャンゼリゼの船着き場に係留されているルル号に書かれている 本屋の名前は「文学処方船」 書店主は50歳のジャン・ベルデュ 自らを文学薬剤師と呼んでいる この物語は、本を薬のようなものとして売っている男の話だ。 万人に向く本もあれば、読書に適している人数が百人という本もあれば、 たったひとりの読者のために書かれたものもあると彼は言う。 ベルデュは本という薬を耳と目と勘を頼りに相手と話をすることで何が 足りないかを聞き取り、体を見たり、態度や身振りでどんな感情を 屈折させたり、抑圧したりしているかを知ることが出来る。 <透聴力>と名付けた能力を持っていた。 彼は、本は医者であると同時に薬でもあると考え、正当な診断をし、 正当な治療をしている。しかし、自身の心の傷は治せずにいた。 ベルデュはその昔。5年間付き合った女性がいた。 ふたりは彼のアパルトマンの部屋を「ラベンダーの部屋」と呼んでいた。 21年前の8月の夜に彼女を見た後、彼女は突然去っていった。 何週間後に手紙がきたが開封せずにテーブルに閉まったまま20年が経過した。 その古い手紙を読むきっかけになったのはテーブルを部屋に何もない隣人 にあげたときに隣人から返され手紙を読んだベルデュは彼女の故郷 ブロヴァンスへ行く決意をする。 彼女が突然彼の元を去った理由を知るために旅に出た男を待ち受けていた ものとは何か? 世界的ベストセラーになった物語だけのことはある内容でした。 どうような薬だったかは本を読んでのお楽しみ。