読書を楽しむ「近藤史恵 シャルロットの憂鬱」
浩輔と真澄夫妻にはこどもができなかった
2年前、浩輔は愛犬家の叔父から勧められ
警察犬をリタイヤした4歳のメスのジャーマンシェパードを
飼うことになった
犬の名はシャルロット
シャルロットは賢いがためにズルすることを覚えた。散歩に出て帰るときに聞えないふりをしたり、家にいるときはクッションが食い破られたりした。賢いので悪いことをしたときはテーブルの下に隠れた。真澄が風邪を引いて仕事を休んだ日にシャルロットが窓際で激しく吠えた。吠えた理由が分からずにいたら向かいの家に空き巣が入ったと後から知った。シャルロットが吠えたことで近所の火事を未然に防いだこともあった。ある時外出して玄関のドアを開けると玄関にいつも待っているシャルロットがいなかった。家の中に入ると窓が破られ、土足の足跡があり、引き出しが開けられ、中のものがぶちまけられていた。シャルロットは二階の寝室のベッドの下にいた。犬と一緒に暮らすと、世界が少しだけ変わるというお話。