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読書を楽しむ「茜 灯里  馬 疫」

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2024年1月山梨県の小淵沢町の馬術競技場で

オリンピックの近代5種競技に提供する候補馬の

最終審査が実施されていた

その最中に馬インフルエンザが発生した

2011年東京オリンピックが終わり次のオリンピックはパリだったがコロナウィルスが収まらず東京で2回続けてオリンピックをやることになった。そして、馬インフルエンザが発生した。実に17年振りのことだった。一ノ瀬乗馬苑の馬セバスチャンが海外からウィルスを持ってきたと疑われた。一ノ瀬駿美は日本馬術連盟の登録獣医師で国立感染症研究所に勤務していた。彼女は実家の馬が疑われたことで濡れ衣を晴らすために行動を起こした。駿美の父は障害馬術の選手で2回オリンピックに出場してから乗馬苑の経営者となった。2021年のオリンピックでは海外の馬を預かる厩舎長に選ばれたがエアコンの不調で馬3頭が熱中症で死ぬ事故を起こした。馬インフルエンザは馬術競技場で発生してから、清里ファミリー牧場のポニーとミニチュア・ホースが発症し、その後、日野動物園のシマウマや台東動物園のシマウマ、埼玉動物園のシマウマが発症した。東京競馬場でも馬インフルエンザが発生した。そんな時に駿美の父がヘンドラ・ウィルスで死亡した。そのウィルスは日本で発生した実績がなかった。国立感染研究所は東京の乗馬クラブの馬が発生源とする仮説を立てた。その馬はこれまで発症した場所に関係していた。そして日本にはタイから感染したと結論付けた。世界一の馬主の牧場から馬インフルエンザが始まった。ところが日本競馬会は世界一の馬主の牧場が発生源であることを避けたがっていた。馬インフルエンザの真相が暴かれたとき、新型馬インフルエンザの発症で人が二人亡くなった。亡くなった二人は2021年のオリンピックで馬の剖検に立ち会っていた人物だったことからヘンドラ・ウィルス感染の可能性があった。このウィルスは2021年にオーストラリアから来た馬が発症したことが明るみになった。馬インフルエンザワクチンは世界一の馬主が提供しオリンピックは無事に開催されたが、国立感染研究所は新たなウィルスと戦わなければならなくなった。ヘンドラ・ウィルスは2024年になぜ発生したのか?真相は本を読んでのお楽しみ。

コロナウイルスの話をオリンピックの馬術競技に置き換えてミステリータッチで発生源推理やなぜ新しいウィルスが発生したかなどウイルスの話はなかなか奥が深くて面白い。


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