SSブログ

読書を楽しむ「京橋史織 午前0時の身代金」

DSC03010.JPG

新倉美里法律事務所に勤務する司法修習生上がりの

新米弁護士・小柳大樹

彼を訪問した依頼人・本條菜子

相談内容は「私が、詐欺をやったんです」

菜子は、美容専門学校に通う学生で学校で知り合った早希と仲良くなり、早希の彼氏にも会って食事をする間柄になった。ある日、早希が病気になりアルバイトができないからと早希の彼氏・川崎拓人から代わりを依頼され手伝ったらそれは詐欺の受け子だった。早希は病気で亡くなり、菜子は川崎に弱みを握られ仕事を断ることができずいた。千葉のイベント会場から主催者の社長の鞄を盗み出し、山下ふ頭で男二人に届ける仕事をやらされた菜子はファミレスのゴミ箱に鞄の中身を捨て川崎に鞄を渡した。そのことで菜子は川崎と男たちに追われ、偶然助けたのが美里弁護士だった。菜子は3件の受け子をして被害額は400万円だった。

その彼女が翌朝TVのニュース速報に出ていた。「女子学生誘拐、身代金10億円の募集をクラウドファンディングで要求」という内容だった。その脅迫メールはIT企業サーバーアンドインフィニティ社届いた。身代金10億円は日本国民から募集しろという内容だった。菜子の父親はニュースキャスター本條健吾で母親は料理研究家の本條恵子だった。そして小柳の上司の美里弁護士がサーバーアンドインフィニティ社の顧問弁護士をしていた。

小柳はなじみの興信所に立ち寄り菜子を詐欺に巻き込んだ川崎の調査を依頼した。週刊誌の記者・倖田も小柳に近づいて誘拐事件真相を聞き出そうとしていた。記者は犯人の本当のターゲットはサーバーアンドインフィニティ社ではないのかと疑っていた。そして、興信所の調査報告から川崎が菜子を使って盗んだ鞄の持ち主がサーバーアンドインフィニティ社の社長の鞄だったことが判明した。

インターネット時代にふさわしいという不特定多数の人々の善意を利用した犯罪の結末は本を読んでのお楽しみ。


共通テーマ: