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BSで映画を楽しむ「地下鉄に乗って」


地下鉄に乗って昭和39年にタイムスリップした男の物語


男は過去と現代を地下鉄で行き来し


家族の過去を辿っていた


大きな家の庭でこどもが3人でキャッチボールをしています。映画は、こんなシーンから始まります。
この3人の親(佐吉)は、事業で成功した親みたいで気に入らないことがあると帰宅してそうそうに奥さんを殴ります。これをこども達は見ていました。こども達は、地下鉄を見に中野新町駅に行きます。そして電車を見て目を丸くします。次男坊(真次)が電車を見ると自分が乗っていました。


現代の地下鉄の駅が画面に出てきます。赤坂見附とか永田町です。ひとりのサラリーマン(真次)がベンチに座っていると目の前に昔の恩師がいました。その恩師と話をします。丹波哲郎に似ていました。サラリーマン(真次)が地下鉄を降りると昭和39年の中野新町駅に出ました。この当時の映画館の看板は肉体の門でした。TVは、電気屋でみんなが囲んで見ていました。昭和39年は東京オリンピックの年です。そして長男の命日でした。サラリーマンは、自分がタイムスリップしたことに気がつきます。タイムスリップは、電車が地下を前進するシーンが出ると昔にタイムスリップし電車が地下を後進するシーンがでると現代に戻ります。サラリーマンは次男坊(真次)が成長した姿でした。彼は、衣料品メーカーに勤めていました。親(佐吉)とは縁を切っているみたいでした。
彼は、母親と奥さんと男の子の3人で暮らしています。職場には、みち子という愛人がいます。長男は、駅前でトラックに引かれ亡くなっていました。三男は、親父の会社に勤めています。役員みたいです。そして、親父(佐吉)は入院中です。


物語は、この次男坊(真次)がタイムスリップして親父のルーツを見つけにいくというようなものです。親父(佐吉)が戦争に行くために地下鉄に乗り、次男坊(真次)に絶対死なないで帰ってこられるからと励まされます。


満州での戦争シーンでは、次男坊(真次)とみち子が現場にタイムスリップします。そして親父(佐吉)がひと組の家族を助けている姿を目撃します。


次のタイムスリップは、終戦直後の闇市へ行きます。そして親父(佐吉)に会います。このとき親父(佐吉)は、アムールと呼ばれ外人をペテンに掛けるようなことをしていました。彼には恋人がいました。映画では常盤貴子が演じています。親父(佐吉)と親父の恋人の間にできた子が、みち子でした。みち子は、アムールという飲み屋に次男坊(真次)と行きます。この店は、親父(佐吉)の恋人(みち子の母親)が経営していました。そして親父(佐吉)もこの店に来ました。みち子は、お店の外にある石段を母親とともに転げ落ちます。そして、多分死んだと思われます。
タイムスリップで真実を知ることは、ときに哀しいことを知ることになります。秋に観る映画のような気がします。