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読書を楽しむ「リチャード・ラング 彼女は水曜日に死んだ」

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メアリーローズは水曜日に

売人トニーの家で麻薬を打った直後に死んだ

メアリーローズとキャンベルは墓地で開催された映画会で知り合った。クリント・イーストウッドがカウボーイハットをかぶっていた。一週間後にキャンベルは彼女の家に転がり込んだ。キャンベルはドアマンでお金を稼いでいたが金は酒に費やしていた。映画のロケで撮影クルーに食事を出す仕事をマーティンに雇われしていた。時折マーティンのために麻薬を手に入れていた。マーティンから役者のドクを仲間に入れてくれと頼まれた。そして3人はヘロイン友だちになった。メアリーローズが死んだ一週間後に彼女の母親と妹がアパートに現れキャンベルは追い出されトニーの家に住まわせてもらった。その代わりトニーのために麻薬の配達をしたり、車の運転をしたり、皿を洗ったり、ゴミを出したりした。ドクは四六時中キャンベルにメールをして今夜はパーティと誘い麻薬を欲しがった。メアリーローズが死んで二週間後に葬儀が行われたがキャンベルは招待されなかった。

メアリーローズが死んだことはトニーから電話で知らされたキャンベルは歩道に座り込んでしまった。死ぬ前日のメアリーローズは幽霊のようだった。彼女がそんなようになったのはキャンベルのせいだった。出会った頃、彼女は麻薬を少しだけやるだけだったが、キャンベルに追いつこうとして夢中になってしまったのだった。彼女は「わたしは正しく生まれたのに、歪んでしまった」と言ったことがあった。1年後、キャンベルは麻薬を断って1ケ月が過ぎていたが毎日が苦しい日々だった。マーティンも麻薬をやめた。トニーは刑務所に入り、ドクはリハビリに務めていた。キャンベルはベンチで彼女の笑顔を見るのが好きだった。その記憶は自分の中にしまっておいて宝物のように大事に守っている。愛する人が死ぬということは、男の世界の一部も死ぬということだ。(本能的溺水反応)


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