SSブログ

読書を楽しむ「竹本健治 しあわせな死の桜」

DSC05386.JPG

ボクたち中学生の住む市では

3ケ月前から15人も

ひとが蒸発している

消えた人たちの間に

つながりはなかった

ボクとゴーちゃんと渡くんの3人は<ハンサム探偵団>を結成し事件の話をしていた。行動力と情報収集力のある渡くんが現場周辺からある共通するものを見つけた。それは桜の花びらだった。ボクは最近友達になったと思っているユズキに学校の屋上で声をかけた。彼は右手の中指と親指を輪にして指パッチンしていた。彼は「いちばんしあわせな死に方を考えたことは?」と聞いてきた。

2週間が過ぎて、世は桜の季節になった。あの後、蒸発事件は2件しか起きなかった。人々は花見へと繰り出した。公園では半数が狂ったようなおかしな踊りを踊っていた。舞い散る花びらの量もどんどん増えてきた。その勢いは花吹雪となった。ボクはユズキを見つけた。ユズキはぽつりとつぶやいた。「どんな死に方が人にとっていちばんしあわせなのか、ボクがずっと考えてたんだ」。「どうしてそんなことを考えるの?」と聞いた。ユズキは「ボクはもともと普通じゃないんだ」と言い、指パッチンをしたら、踊る人影のひとつがガサッと崩れ落ち、花吹雪となって舞い散った。

桜の季節にふさわしい題名の本を図書館で借りて読んだが物語を理解するのが難しい内容だった。桜の季節に死ぬなら無数の花びらになって死にたいということがしあわせなようなことらしい。


共通テーマ: