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読書を楽しむ「桃戸ハル編著 5分後に意外な結末」

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「わたしが作家になった理由」の

 5分後の意外な結末

「さくらさわ」というペンネームで小説を書き始めて8年が経つ。数冊本を出したが、どれも売れもしなければ、話題になることもなかった。子どもに向けた物語を書いているが出版社からは、子どもたちにおもしろいと思ってもらえる作品ではないと何回も同じダメ出しをされていた。導かれるままに電車に乗り降りた駅は、さわが子どもの頃に家族と暮らしていた町だった。毎年、夏祭りが開かれている神社にお参りに出かけ、そこで階段に女の子が座ってロングセラーの児童書を読んでいた。女の子はお父さんとお母さんが帰ってくるまで家に入れないと言った。さわは自分もおもしろい物語を書きたいと言ったら、どういうお話を書いているかと聞かれ、ダメだしされた原稿を女の子に見せた。中学校の部活もので「文化活動部」の部員の話だった。女の子は「文化活動」って何をやるかわからないし、おもしろそうじゃないし、入らないと思うと答えた。女の子は町のみんなが知っているくらいの有名な部活にしたらと言われ、さわは書き直しをして「占い部」にした。さわはたった一人の読者のために毎週神社へ通い、女の子に読んでもらい感想を聞いて早く続きが読みたいと言われるまでになった。

20年後、秋野さくらは児童文学賞大賞を受賞した。受賞式で子どもの頃に生まれ故郷に古い神社があり、そこで本を読んでいたら若い女性が自分は作家だと言って、女性が考えた物語の原稿を読ませてもらいました。その女性と毎週会い、原稿に対する感想を述べたりして物語を読むのも楽しいが創ることはもっと楽しいんだと気づいて児童文学作家になりたいと思うようになったと話した。若い女性は「さくら」という名前だったので、名前の一部を使わせてもらい「秋野さくら」にしたとも語った。

なんともしてやったりの結末で素晴らしい。残り25の意外な結末がまだ待っています。


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