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読書を楽しむ「香納諒一 砂時計」

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我が子を亡くしたひとは

砂時計を思い浮かべて暮らしている

砂が全部下に落ちたら

この痛みは忘れられると思っていたが・・

保険の勧誘員・各務倖子38歳が自宅のマンションで大量の睡眠薬をアルコールとともに服用したことで昏睡状態になり死に至ったと考えられると赤羽署の刑事・清野が警視庁捜査一課の大河内刑事部長に報告した。A4判の紙に”疲れました。ごめんなさい。とプリンターで印字されていた。自死と思われたが不自然なことがあり一課が臨場を依頼された。パソコンから数か月のメールが消去されていた。自殺を考えていた人間が翌日配達の宅配サービスに申し込んでいて品物が家の前に置かれていた。第一発見者は職場の上司だった。無断欠勤していて通勤の途中で立ち寄り管理人にドアを開けてもらい遺体を見つけた。各務倖子は2年前にも失恋が原因で自殺をしようとしたことと父親が彼女が中学生の時に人を殺したことが退職したセールス・レディの証言で分かった。父親のことが原因で交際相手から婚約を破棄されていた。婚約が破棄されたのは婚約者に匿名の手紙が届いたためだった。マンション住人への聞き込みで40男や30半ばの男を見かけたという情報があった。人が争う物音を聞いたという証言もあった。各務倖子は去年の暮れに産婦人科を受診し堕胎していた。相手は不明だった。高校の同級生を訪ねた刑事は各務が高校時代に短期間付き合っていた男子生徒がいたことを知る。高校でも彼女は父親のことが原因で転校していた。高校時代の男子生徒・工藤は都議会議員になっていた。工藤は2年前のクラス会で各務と再会したが既に結婚していた。そして各務が亡くなった日のアリバイがあった。工藤の身辺を調べたら女性関係でもめ事になったという噂があった。各務の解剖結果が出た。死因は睡眠薬ではなく、塩化カリウムの過剰投与で心停止を引き起こした殺しだった。”ホシ”は誰なのか続きは本を読んでのお楽しみ。真実はあまりにも切なすぎる。


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