SSブログ

読書を楽しむ「百田尚樹 野良犬の値段」

DSC07155.JPG

男が見つけた「誘拐サイト」

そこには「私たちはある人物を誘拐しました」と

書かれていた

そして、翌日誘拐された人物の名前と写真が

公開された

写真の6人の男たちは、無精ひげで髪はぼさぼさで

服はよれよれで、顔も年齢上に老けていた

見た目はホームレスだった

5月9日誘拐サイトが見つかり、5月13日に誘拐された人物の名前と写真が公開された。5月16日特定の企業・団体に身代金が要求された。大和テレビ8億円、東光新聞7億円、JHK(日本の公共放送)3億円、常日新聞2億円。身代金を要求された企業・団体の役員や社員を誘拐した事件ではなく、見ず知らずのホームレスのために身代金を支払う理由はなかった。5月17日には誘拐された人質のひとりの映像メッセージが公開された。そして18日に犯人から身代金を支払う意思を示さなければ人質を一人殺すとメッセージがサイトに投稿された。常日新聞は人質に身代金を支払う義務はないと犯人に返答した。5月20日人質のホームレスのプロフィールが5人分判明した。1名田中修を名乗る人物だけ確認が取れなかった。5月21日渋谷のハチ公前に生首が置かれていた。ホームレスのひとり松下和夫だった。そして、突然「誘拐サイト」が閉鎖された。5月25日には新宿駅近くのガード下に田中修の首が置かれていた。

ホームレスの命の値段はどう決まるのか?この誘拐事件にはトリックがあった。このトリックなかなかのもので簡単には暴かれない。ふむふむと感心しながら読んだ。デジタル社会になったことで誘拐事件も劇場型になり、人々の心情を一喜一憂させ利用する。大したものだというしかない。


共通テーマ: