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読書を楽しむ「田中芳樹 走無常」

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者が生き返ったふりをして

肉体を持った幽霊となりこの世に現れたとき

あの世から”走無常”がやってくる

県の有力者を乗せたワンボックスカーが、ゴルフ場からの帰途、峠のバイパスから谷底へ転落した。亡くなった乗客のひとり本間房夫の通夜が行われたとき、棺から「俺は生きてるぞ」という声がして県教育長の本間は生き返った。彼は奇跡の生還を果たし、ワイドショーで取り上げられ、教育長を辞任し市長選に出馬を表明した。本間は裏金をため込んでいて、そのことを免職処分にしたもと高校教師から脅かされていた。本間はもと教師に酒を飲ませ、酔いつぶれたところを男のネクタイで首を絞めた。それを見ていた走無常が死者が生者を殺してはあの世の秩序が乱れると言って、本間の顔に牌(ふだ)を貼り付けると皮膚がはじけ、肉が剥がれ落ち、その下から骨があらわれ、死体になった。摩訶不思議な世界のお話が好きな人にはお勧めかも。



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