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読書を楽しむ「山崎ナオコーラ あきらめる」

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これは自分を明らかにする

あきらめるという家族の物語

近所の川沿いを散歩するのが日課の早乙女雄大。入院中の愛する人との残り少ない日々の過ごし方や、ある告白をきっかけに家を出てしまった家族のこと、あれこれと思い悩みながら歩いていると、親子風の二人組に出会う。親に見える人は何やら思い詰めた表情で「自分の人生をあきらめたい」と言う…。ふとしたきっかけで生まれた縁だったが、やがて雄大は彼らと火星に移住し、「オリンポス山」に登ることを決意する…!?(小学館書籍の紹介より抜粋)

あきらめるとは、事情や理由を明らかにする。はっきりさせるということらしい。早乙女雄大の日課は、川沿いを歩く「孤独散歩」。彼には弓香という妻と博士と塔子というこどもがいたが今はいない。雄大には今井と言う恋人がいるが病院に入院している。雄大が住むマンションの住民の秋山輝と5歳の龍に散歩で出会い話をした。彼らが住むマンションの掲示板に火星移住の募集ポスターが張ってあり、輝は12期の募集を考えていると言った。そして「自分の人生をあきらめたいんです」と言った。平安時代に「あきらめる」とは「物事をよく見る」「心の中をあかす」といった明るい意味で使われていた。雄大は病院へ出かけ岩井に3年前に弓香に言った科白を言った。「俺は岩井がこどもの頃からずっと好きだった」。岩井は雄大に宝物のおにぎり石を渡した。日曜日に雄大は娘の塔子とレストランで食事をしながら弓香が1年前から火星に住んでいると教えられた。そのことで雄大は火星移住の12期の募集に応募した。公園で龍はトラノジョウとともだちになった。支援センターには時田先生がいて輝の育児の悩みを聞いていた。先生も来年火星に行くと輝にはなした。トラノジョウのママは雪山雪と名乗った。彼女はこどもを愛しているが育児ができないと輝に言った。輝は雪に自分は恋愛していないのに結婚しちゃいましたと言った。相手の男は輝と結婚する前に別の人と結婚して、すぐに離婚し、赤ん坊の龍を置いて出て行った。トラノジョウも火星に行きたいらしいが雪は今の恋人から離れられないので地球から出られない。新養育システム法ができて親は5人まで認められることになった。冬がはじまるころにトラノジョウは輝のマンションに引っ越しして龍と3人暮らしがはじまった。雄大と輝の家族はロケットに搭乗して火星への旅に出た。輝は火星で育児に悩んだ。龍への愛情とトラノジョウへの愛情のバランスがアンバランスになっていた。輝はみんなにエベレストの3倍の高さを誇るオリンパス山に登ろうと言った。オリンパス登山計画のリーダーが輝になった。さてさてへんてこな物語の結末は本を読んでのお楽しみ。



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