読書を楽しむ「長岡弘樹 血 縁」
絶対にしてはいけないことをしてしまった 姉の機嫌を損ねるのが怖かったから 妹は人のものを盗んでしまった 小学生の妹・志保と中学生の姉・令子は「ドラック吉沢」へ立ち寄った。 扱っている商品の大半は薬だが、文房具や駄菓子も置いてあった。 姉は妹に自分が欲しいと思っていた口紅を万引きさせた。 志保は姉が部活に行ったときに貯金箱からお金を出して「ドラック吉沢」 へ持参してお店の中に置いてこようとしたらお店が放火されていた。 河川敷で生活していたホームレスが逮捕された。 中学生の時に志保は姉が大学に入学するので駅まで荷物を運んだ。 そのとき駅前の横断歩道で何者かに歩道に突き飛ばされた。この時、 姉は忘れ物を取りに家に戻っていた。 目撃者はいなかったが志保には分かっていた。 あの手は令子のものだと。 そして、自分に殺意を抱いていることを知った。 姉妹は成人して母親が勤務していた介護の会社に入社した。 そして、事件が起きた。 志保が訪問介護している無職の83歳の女性が植木鉢で頭を殴られ死亡 しているのが発見された。 家の中が荒らされていることから強盗殺人事件とみられていた。 介護の現場で起きた事件と殺意を持った姉を結び付けた時、その事件が 交換殺人事件だとは誰も気づかない。なんともおそろしい。