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読書を楽しむ「原田マハ スィート・ホーム」

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小さな小さな洋菓子店「スィート・ホーム」の家族のお話

洋菓子店には二つの出入り口がある。ひとつは住宅用の玄関で、ひとつは洋菓子店のエントランス。この家で父と母と姉妹の家族4人が暮らしている。父はパティシエで母は看板娘。姉の陽皆は梅田の雑貨店で働き、妹の晴日は大学生。父は宝塚にあるホテルでパティシエとして働き、退職して、自宅を改装して洋菓子店を開いた。玄関の脇にキンモクセイの木が植えられている。家族はキンモクセイの咲く頃、玄関先で家族のポートレートを撮っている。姉の陽皆は、高校も大学も無難なところに入学し、就職先も知り合いに紹介してもらってOLになったが会社生活に馴染めず4年で退職した。28歳の現在までモテキがなかった。妹は姉のことを「自分ってもんがなくて、優柔不断だ」と評した。雑貨店ではコーヒーカップとか木綿のふきんとか置いてあるものは地味なものが多い。ある日、会社帰りの若い男性がマグカップをプレゼントにしたいと購入した。その男性は週に一度プレゼントにしてくださいと言って買い物をしていた。三度目に来店した時に長時間迷っていたので陽皆は声をかけハロウィン・グッズを勧めた。男性はマグカップとか、ランチョンマットとか、ソックスとかを購入したので陽皆は彼女へのプレゼントだと思っていた。陽皆はその男性にいつしか片思いをするようになった。そして12月のクリスマス間近の日に告白することを決意し男性を待ったが店に現れなかった。1月も現れなかった。そして2月のバレンタインデーの夜に男性が現れた。やはり家族は一緒に暮らすことで大人になることを学ぶ。


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