SSブログ

読書を楽しむ「相場英雄 アンダークラス」

DSC01586.JPG

警視庁第一強硬班捜査係キャリア警視・樫山順子が

継続捜査班第五係の田川を訪ね、人探しの手伝いを依頼した

探す相手はベトナム人の女性ホアン・マイ・アイン29歳

技能実習生として来日し、半年前に日本で姿を消していた 

そのアインが秋田県警に逮捕された。秋田の熊代市の老人介護施設でヘルパー見習いをしていた。施設の利用者・藤井詩子85歳の自殺を手助けした容疑だった。樫山と田川は秋田へ出向き、田川は被害者の手の位置が殺しの手だという疑問を抱き、自殺幇助ではないと考えた。被害者は施設の公衆電話で大手通販会社サバンナの顧客サービス相談室に8件の電話をしていたことが判明した。樫山と田川は藤井の経歴を知らべたら熊代生まれで小学校卒業まで暮らした後、奉公にでて、兵庫県神戸市へ。神戸にはアインもいたことが判明していた。アインは神戸ではブラック企業に勤務していた。藤井は太平洋戦争の混乱に巻き込まれた後は人間の尊厳を奪われるような人生を送って来た。アインも母国に家族を残し、希望の国と言われた日本で奴隷のように扱われた。アインは地下銀行を利用して300百万円をベトナムに送金していた。田川はアインの罪状を自殺幇助から殺人容疑に切り替えるために捜査をしてきたが、それが見込み違いだったと考えはじめた。藤井殺害の実行犯は別にいる。被疑者が真犯人を庇っている可能性が出てきて裏取りを始めた。外国人技能実習生が見た日本は貧乏人の国になっていた。日本という国が静かに後進国になりつつあることを日本人の大半は知らない。この本を読むまでは。


共通テーマ: