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読書を楽しむ「久坂部 羊 人はどう死ぬのか」

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健康寿命に到達する前に読む本だと思う

元気だとしても老化現象は体の中で起きている

病院に行くことがなければ検査も受けないないので

死が突然起きてもおかしくないが

本人は気づかない

そういうひとはいざ死ぬような病名を宣告されると

本人も家族もあたふたする

そして延命治療が必要だと身内は叫ぶが

本人にとってとてもつらいことになる

そのことを誰も知らない

そういうことが書いてあった

外科医が書いた「死に関する教科書」一度は手にして読んでみてもおかしくはない。死には3つの種類があり、生き物としての死と手続き上の死と法律上の死がある。手続き上の死は死亡診断書が書かれ医師が死亡を確信したことで認められる死をいう。法律上の死とは脳死のこと。延命治療については治る病気を治せるならいいけど、治らない病気を無理やり治そうとすると悲惨な状況になると書いてある。高齢になって自宅にいれば亡くなる可能性がある患者が、病院で治療を受ければ延命治療を行い、結果として助からない場合は悲惨な状況になる可能性が低くないと書いています。病気を治りたいと考えている患者は治療にこだわるが副作用で苦しんだり、体力を落としたりして、せっかくの人生の残りを時間を有意義に過ごせていない。治ることを諦めている患者は自宅で自由気ままに時間を過ごし、徐々に寝たきりになり、意識を失い昏睡状態になりますが穏やかに逝ける。在宅での看取りの失敗例も記載されています。最後を迎えることを受け入れ、医療行為をしないことを当人が受け入れれば死の直前に点滴をしたり、酸素マスクをしたりする必要もなくいろいろなことが当人の負担にならないので家族も静かに見送ることができる。人を看取った経験が少ないと心の準備ができていないため静かに看取ることは難しい。作者の父親は糖尿病だったが一切の食事制限はせず、前立せんがんも見つかったが治療を断り自らの死を受け入れる気持ちになりこのことを家族も受け入れ、苦痛だけは取り除く用意をして、家族は当人の最後を待っていたと書いてあります。死の恐怖を免れる方法として、死のことを考えないこととできるだけリアルに死を意識して、死の恐怖に慣れること。がんで死ぬときに大事なことは無理に治ろうとしないこと。死に関しては死に向かってそのまま受け入れるのが一番だと作者は考えている。上手な最期を知りたい人は下手な最期を考えればいいと書いてあります。下手な最期とは死ぬに死ねない状態で医療で命を引き延ばされること。点滴やチューブでベッドに縛り付けられ、人工呼吸器をつけて最後を迎えたくない人は病院へ行かなければいい。家族は患者を病院に連れて行くときには助かる可能性もあるが、悲惨な延命治療を避けられない可能性があることを心得て置かなけらばならない。いざという時に慌てないためには心の準備をしておかなければならない。高齢の親を持つひとは読んでおいた方がいいかも。







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