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読書を楽しむ「川口晴美 やがて魔女の森になる」

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現代詩というものを読んだ

生きずらさを感じている女性たちがいる

女性たちの住むことができる家が森にはある

母親はアラームが鳴ってもわたしを起こしに来る。そして身体をチェックする。妊娠なんかしてないと言いたい。父親はお風呂場を覗いたり、殴ったりしなければいいお父さんだと友達はいう。学校では誰かが話すのを笑って聞いているフリをしている。わたしはひとりになったら森へ行く。

ご飯をつくって洗濯して掃除して、ファミレスでハンバーグを運んで、買い物して、保育園によって、クリーニング店によって、こどもたちをお風呂に入れて、可燃ごみをまとめ、食器を洗う。忙しい夫は帰りが遅い。そして帰ってくる夫はいつも不機嫌。わたしはひとりになったら森へ行く。

給料が上がらないことに腹を立てるのに飽きて、新しい口紅は発色がイマイチで、会議録をまとめていたら昼食を食べそこね、電話をとればにこやかに応対する。わたしのやりたかったことがなんだったかわからなくなっている。わたしはひとりになったら森へ行く。

わたしは古い木造アパートの一室で自分の世話だけすればいい日々を得たが子供たちや孫は訪れにくいらしい。アパートの壁は薄く隣人のくしゃみや泣き声が聞こえる。わたしはひとりになったら森へ行く。

 安住の隠れ家お話か?願望か?逃避行か?心情か?


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