時代劇を楽しむ「闇の狩人」

記憶を失って仕掛人をしている若侍を助ける盗賊

上州と越後の境の湯治場に女房のしまと来ていた盗賊弥平次は
崖下に倒れて怪我している若侍を助ける。
若侍は、何者かに襲われ記憶を失くして自分の名も覚えていない。
弥平次は、若侍に名が無いと不便と思い「谷川弥太郎」と名づけ
金を与え別れる。

数年後、舞台は江戸。
弥平次は、頭・金右衛門一家の盗賊として盗みを働いていた。
弥平次は金右衛門から自分が引退したら頭にならないかと勧められた。
そして、頭が亡くなり一家が集まって跡目の相談をしたがまとまらなかった。
弥平次は、意を唱える新兵衛と伴助と話し合いの場を持ったがふたりは
姿を現さなかった。
弥平次夫婦は、居酒屋「三政」に身を寄せていた。
弥平次が店の外に出たときに悲鳴が上がり、ひとりの侍が立っていた。
顔を見ると湯治場で別れた谷川弥太郎だった。
弥太郎は記憶が戻っていなかった。
弥太郎は、香具師の元締・静右衛門に拾われ、仕掛人になっていた。

弥平次は、自分が新兵衛と伴助に跡目争いのことで命を狙われていることを
知り、反撃に出て伴助を手にかける。

静右衛門は、新兵衛から弥平次の殺しを依頼される。
しかし、弥太郎は弥平次を斬らなかった。
静右衛門は、土岐家から侍をひとり殺す依頼を受けていた。
静右衛門は、その人物が弥太郎であることを知りながら仕事を引き受けた。

江戸の闇で暗躍するひとびとの物語です。
弥平次は、金持ちからしか金銭を奪わないという盗賊で面倒見のよい男で
女房にしっかり首根っこを押さえられているという男でした。

弥平次は、新兵衛から命を狙われ、弥太郎は土岐家から命を狙われ
さてさて、ふたりの運命は時代劇を観てのお楽しみです。

池波正太郎の世界は、なんとも高齢者にはうれしい。