読書を楽しむ「砂川文次 戦場のレビヤタン」
戦争それ自体は生き物で 聖書の中ではレビヤタンと言っている この生き物の餌が土地と人間 イラクの紛争地帯を走るSUV車。 車には4人の男が乗っていた。男達は傭兵。 チームのリーダーでアイルランド系の元海兵隊の大尉、元自衛隊幹部の日本人K、 元海兵隊の白人で戦争中毒のランボー、ミャンマー人のジョン。 彼らの目的は英国系企業の石油精製施設の10日間の警備。 武装した警備員の総勢は80名。 施設に雇われていた現地人が武装勢力に情報を漏らし、損害を出したため会社側が 多国籍の武装警備員を雇った。 日本人Kは、先進国と呼ばれる国で産み落とされ、恵まれた環境の中で、誕生日から 今日まで欲しくもないものを買わされるためだけに生きてきた。 そこには、自分を突き動かし得るものがなかった。 わざわざ中東まで出向いて銃を持つ理由は、ここは自分で自分の生身を感じられ退屈 しないと思っていた。自分の生死以外に興味を失っていた。 彼は戦場へ来て、戦争は巨大で、人と土地を喰らい、万民が戦争と戦っているが本当は 自分たちが戦争を扶養し、戦争の餌になっていると気づく。 戦争とはなにかを問うている。 日常を訳もなく生きていても退屈していると考えてはいけない。 退屈していると人は更なる刺激を求める、それが怪物(レビヤタン)を生む。 読書をしたことで戦争の生まれる背景を知ることになった。 たったひとつの要因で敵も味方もない状況からふたつに分かれ戦いがはじまる。