SSブログ

読書を楽しむ「常光 徹 魔除けの民俗学」

CIMG0788.JPG

家・道具・災害の俗信 

俗信とは、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 - 俗信の用語解説 - 民間で信じられている禁忌,呪術,占い,まじない,幽霊,妖怪などの観念。本書では、予兆・占い・禁忌・呪いに関する身近な知識や生活の技術などで、主に心意にかかわる伝承と記されている。

mayoke.jpg

「蹴り上げた靴が表だと晴、裏返しなら雨」「夜は爪を切るな」「霊柩車を見たら親指を隠せ」「一か月前に異常な豊漁があった。地震が来るのではないかと心配したら地震があった」「重病人の家を、近くの家の屋根から股メガネで覗くと、死人が出る時にその家の棟に棺が見える」「子どもが夜泣きをするのは狐が屋根の上で手招きすることが原因で、屋根の上に油揚げを乗せれば泣き止む」「乳歯が抜けた時、上の歯は縁の下へ、下の歯は屋根の上に投げるのは、その方向に丈夫な歯がはえてほしいという願い」「南天を玄関やトイレの脇に植えると、家が栄えるとか、災難を免れる」「正月は家の中を箒で掃くなと福の神が出ていくとか、貧乏神が来るとか言われている」「地震の時に、マンザイラクと唱えると安全」

魔除けは、災厄をもたらす魔物の侵入を防ぎ退散させるための呪的な行為や行事の総称で、実態は簡単に整理できない。魔除けには注連縄や大蒜、顔に鍋墨を塗る、呪文を唱えるなどがある。

俗信には、時代を越えて伝承されてきた日々の不安を取り除く知恵が生かされている。迷信とか思わずに読んで見るとそれなりに昔祖父母や親に言われたこともあったなぁと思い出す。


共通テーマ: