SSブログ

読書を楽しむ「貫井徳郎 罪と祈り」

CIMG2438.JPG

28年前、バブル時代 高層マンションを建てるために

不動産屋が地上げをし、住人を何人も追い出した

土地の買い取りに応じなかったひとはヤクザから嫌がらせを受けた

それなのに警察は何もしてくれなかった  

隅田川で父の遺体が発見された。頭の側頭部に殴られた痕があった。濱仲辰司は元警察官だった。辰司の息子・亮輔と死体発見現場に駆け付けた久松署の芦原賢剛は知り合いで家は近所だった。そして父と賢剛の父親は親友同士だった。立派な警官だった父と30歳を過ぎて無職の亮輔。父は「お前は運がない」と言っていた。亮輔は父は殺されていい人ではなかった。だから父の死の真相が知りたいと思った。隅田川公園で血痕が見つかった。亮輔が母親から聞いた父親は賢剛の父親・芦原智士が自殺した時から人が変わったと言っていた。その頃、亮輔はこどもだった。そのバブルの時代に有名な誘拐事件が起きていた。誘拐された子供の父親は不動産会社に勤めていた。そして、誘拐された子供は生きて帰ってこなかった。身代金を奪われ警察は面子丸潰れだった。バブルの頃、西浅草エリアを再開発する計画が進んでいた。辰司の家の近所でも土地を売り1億円以上の大枚を手にして引っ越しするひとがいた。その頃、芦原智士は料理人になる夢を抱いて居酒屋で働いていた。大手不動産会社・東芳不動産はいかがわしい人間を使って地上げをしていた。玄関先にゴミを捨てるという嫌がらせを受けていた住人に対して警察は何もしてやれなかった。亮輔の幼稚園の先生と辰司は幼馴染だった。

バブルの時代と現代を舞台にバブルの時代を生きたふたりの父親と現代を生きるふたりの息子。バブルの時代にひとりの父親は自殺で亡くなり、もうひとりの父親は警察退職後に殺された。そして、ふたりの息子はお互いの父親の別の顔が見たいと手がかりを求めて28年前の親を追った。そこには地域の住人が地上げが遠因で4人が死んでいた。


共通テーマ: