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読書を楽しむ「アンナ・カヴァン 草地は緑に輝いて」

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遠雷の夏の日

列車の中は息苦しいほど暑く外の景色は単調で色彩に乏しく

うつらうつら過ごしていた  

旅先で不思議な草地に出くわすというお話。黄昏時にその草地はあらわれるが、草地は小さく、斜面にあって、近くには黒い大木の森があった。草地はいつも美しい緑で、まぶしいほどに輝いて見える。目を覚ますと見晴らしのきく場所に出て、真正面になだれ落ちる黒い森にはさまれて、切り立ったエメラルド色の壁が見え、宝石にも似た輝きを放ち、暗鬱な背景のなかでまばゆく燃え立つ壁ーそれが例の草地だった。