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読書を楽しむ「渡辺 優 クラゲ・アイランドの夜明け」

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国内初の海上コロニー「楽園」が7年前に完成し

10歳だったミサキは父親と姉のレイナと移住した

母親は仕事の都合で本土にいる

コロニーはセントラルと呼ばれる管理団体が運営している

楽園が始まってから一度も殺人、傷害、性犯罪、交通事故、違法薬物、違法労働、それから自殺。これらすべてゼロ件だった。新種のクラゲが波力発電システムに詰まった。そのクラゲは七色に光った。全長1メートルを超えたクラゲがひとを襲って食べたらしいという噂を耳にしたときコロニーのひとびとはジョークだと思った。ところがクラゲに襲われ電力会社の職員が2名死亡と伝えられ事態の深刻さに気付いた。やがてクラゲは大量発生した。

クラゲ発生から七日後の未明。10代の少女が事故死した。その日、スクールの同級生ナツオはミサキが防波堤をよじ登るのを見ていた。セントラルの発表は少女が誤って転落した事故として報告されたがナツオはミサキが意思を持って防波堤を跳んだところを目撃していた。ミサキはどうして自殺なんてしたんだろう?

ナツオは、生前の彼女の行動を探りはじめる。

ミサキから死ぬ前の日の夕方に送信したメッセージがナツオに届いた。「鍵を開けないでね」。ミサキの部屋に金庫があったことを思い出した。

楽園ではこれまで事件らしい事件は起きていなかった。4年前に本土で無人の学校ばかりを爆破されるという連続爆弾魔事件が発生し、犯人は爆弾少年と呼ばれ、少年は子供向け実験雑誌「きみでもできる!たのしい科学」シリーズに付属していた少量の有機防結剤を集めて使用した。このとき爆弾少年のシンパである子供が楽園に逃げ込んできていると噂になった。

ミサキはコロニーの中にあるクラゲカフェで60年前に公開されていたアバターチャットワールドを模して造られた端末を使用して本土のひととやり取りしていた。

ミサキはナゼ死んだのか?死にたいと思ったのか?少女の死とクラゲの大量発生。関係あるのか?ないのか?本を読んでのお楽しみ。


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