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読書を楽しむ「フィリップ・ロス グッドバイ・コロンバス」

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1950年代、後半のアメリカ

初めて会った時、ブレンダはニールに眼鏡を持っていてほしいと頼んだ

ニュージャージー州の高級住宅街に住むブレンダはボストンの名門ラドクリフ大学の学生で夏休みで実家に帰省していた。スポーツクラブのプールでブレンダはニールに眼鏡をもっていてほしいと頼んだ。彼女は飛び込み板の先端から飛び込みをした。彼女は眼鏡をありがとうと言って受け取って立ち去った。ニールは地元大学を出て図書館員をしていた。いとこからブレンダのことを聞いて彼女に電話を入れた。ブレンダがテニスの後で会うと言った。ふたりのデートが始まった。ふたりがプールで過ごしているときにブレンダの兄ロンを紹介された。ニールはブレンダの家のディナーに招待され、両親や妹と対面した。二人でテレビの部屋のソファに座って、家族が寝たみたいとブレンダが言い、その夜遅くはじめてふたりは愛を交わした。ブレンダとは毎晩会いテレビ画面の前で愛し合った。ブレンダはニールの両親のことや図書館の仕事について質問したりした。こうして夏は過ぎていった。ニールは毎晩ブレンダと会って、二人で泳ぎに行き、散歩し、車で遠くの山に出かけたりした。8月の終わりに一週間ブレンダの家で過ごすことになった。ロンはグッドバイ・コロンバスという音楽を聴いてから寝ていた。ブレンダの家で過ごす最後の日にもう一週間過ごしてもよくなったと伝えられた。一週間後にロンが結婚式を挙げることになり、その翌日ブレンダは学校へ戻り、ニールは仕事に戻ることになった。ある時、ニールはブレンダにお願いをした。「ペッサリー(女性用避妊具)を買って、医者へ行ってつけてほしい」と。このことでふたりは喧嘩をした。ロンの結婚式の3日前にブレンダは医者へ行った。ロンの結婚式の翌日ニールはブレンダを車で駅まで送った。

秋になりブレンダから手紙が来てユダヤ教の祝日に戻ると書いてあった。手紙が届いた2日後にブレンダから電話があり帰れなくなったと言った。ニールはボストン行きの列車に乗った。ホテルに部屋をとり、ブレンダが母がペッサリーを見つけたと話した。母から手紙が来てブレンダの夏服を片付けていたときにあるものを見つけた。ふたりがああしたことに及ぶなんて理解できないという内容だった。この後、ニールはペッサリーをなぜ家に置いてきたのかとブレンダを責めた。ふたりは口論してニールは部屋を出た。

今の時代ではできちゃった婚もあり、男女の恋愛関係について世間の理解も得られるが、その時代のことを考えれば、ああいうことをするのは男が悪く、あるべき女性の姿ではないということになる。かくも人生は難しいことばかり。


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