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読書を楽しむ「浅田次郎 黒書院の六兵衛 上」

005.JPG004.JPG                          勝安房守の談判により江戸城は不戦開城となり                                                江戸城明け渡しの俄か隊長に                                                          尾張大納言の家来・加倉井隼人が命じられた                                        勝は加倉井に西の丸御殿の中に                                            てこでも動かない侍がひとりいると言った                                                               その男は十畳ほどの座敷にぽつねんと端座していた                                                    不戦開城の談判を呑んでくれた薩摩の西郷との約束で、城中にていかなる悶着も                                      起こしてはならぬ、力ずくで押さえもこむことも悶着となるので説得すべしと                              言われていた。                                                                                 その侍の名は御書院番八番組的矢六兵衛。                                                                事態は緊迫し、上様は上野のお山で謹慎し、彰義隊と官軍が睨み合っていた。                            加倉は幕府の外国奉行支配通弁・福地と的矢六兵衛の正体を探るために上野へ。                                 八番組の付属同心・尾関からふたりは奇妙な話を聞くことになる。                                                尾関は座り込んでいる侍の風采を確認したあとで、的矢六兵衛様に間違いないと                                        いい、しかるにその人物は的矢六兵衛ではないとも言った。                                                      的矢六兵衛なる侍は金で御書院番士の株を購入し、組頭に金を掴ませ殿中で                                  相続の儀を執り行ったらしい。                                                        福地は的矢の屋敷を訪問し、7年前から奉公している中間の新助から六兵衛が                                   淀屋という金貸しに助けられたことを聞く。                                                     家族も入れ替わったが新助はお暇を出されることを恐れ従前通りの奉公を                                     していると答えた。                                                                                   六兵衛の妻から着替えを託された福地が六兵衛に渡すと風呂に入った。                                               その後、六兵衛は表御殿の定艦の間に座り御庭を眺めて動かなくなった。                               加倉井は上様からの上意で六兵衛を動かそうとしたが、それも駄目だった。                            加倉井は御勅使入城が明後日に迫っていることから脇差を預かった。                                その脇差は備前鍋島家に仕える刀工の作であった。                                                          上巻277ページを読んでも六兵衛なる侍の正体は分からず、追い出すことも                                         できず周囲は困惑するばかり。
そんな中途半端な状態で下巻へ続くとなった。                                                                 当然、先を読みたくなる。


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