読書を楽しむ「ホルヘ・カリオン 世界の書店を旅する」
書店とはなにか?
ただ本を売るだけなのか
それとも人と人の出会いの場なのか
客同士が「読書」という共通の話題で
結びつくことを可能にする空間なのか
本書の著書は旅をするときに、リックの中に数冊の本を入れ、本屋を探して旅に出た。
■世界最古の書店
書店は古いだけでなく、古そうに見えなければいけない。リスボンのベルトラン書店は最も歴史が古いということでギネスの認定書を受けている。本は知識、理性、幸福への鍵である。本屋へ行くと言う目的は、本を身近にしながら好きなだけ会話を楽しめるからだ。書店の主な仕事は毎日埃を払いつつ、店を一巡し、本がどこにあるかを覚え、体で本を知ることだ。読者は書店という小さな都市の旅人であり、目的とするのは文字ーいまだ本の中でじっとしているーを刺激する。
■東方世界(オリエンタル)の書店
モロッコ北部のタンジールはフランスの作家や画家によってオリエント化された。そこにコロンヌ書店があり、アメリカの作家やヨーロッパの知識人、アラブの作家などが訪問した時に足を運んでいる書店。二つの大陸、二つの海、東と西という極が出会う場所で、三つの文化と三つの宗教が混じり合って一体となったひとつの集団が形成されている。だからこそ、東方世界の書店は旅する者を魅了する。東洋では一冊の本の内容を理解するには書き写すことが最良の手段だと考えられてきた。知性と記憶は言葉によって定着する。読むことで世界の書店を巡る楽しみ方を学ぶことができました。