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読書を楽しむ「川邊りえこ 熨斗袋 選ぶ 書く 伝わる」

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衣食住足りて礼節を知る 

時代の流れでしきたりや風習は簡素化され消え去ろうとしている

手を抜けばきりがないが、作法を知って自らの美意識で選んで、書いて、熨斗袋を身近なものにしようという内容の本でした。熨斗袋は相手の格にあわせることが大切で、水引の結び方も「これ一度きりで二度とないように」という想いを込めた「結び切り」と「何度繰り返してもいい」という「蝶結び」がある。西洋にはチップの習慣があり、日本には「心づけ」の習慣があったが渡す機会が少なくなった。「心づけ」の意味は、感謝と喜びを分かち合う気持ちを表している。中国で発明された紙が日本に伝来したのは六世紀以前のことで技法は「流し漉き」だった。熨斗とは熱で皺をのばす道具のことだった。現在では熨斗は長寿や繁栄を象徴する縁起物としての意味が強い。熨斗袋に名前を書くのは縦書きが基本で原則は楷書で書くが文字が苦手なひとは行書で書くと達筆に見える。日本では贈る行為として、現金を裸で渡すのは「はしたない」という文化がある。中国の書と日本の書の違いは、中国の漢字の起源が骨や石に刻まれたものであり、日本の文字は筆で紙に書くものだった。いろいろ知ってみると文明の発達で現在はあまりに簡素化され過ぎているがこれも時代の流れということに一言でいえばなる。


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