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読書を楽しむ「C・J・チューダー アニーはどこにいった」

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妹アニーに起きた忌まわしい出来事がふたたび起こる

そう告げる不吉なメールでぼくは故郷に呼び戻された

過去の忌まわしい記憶と、現在の忌まわしい事件

惨劇の家で起こる怪異。封印した恐ろしい記憶… 

25年前のイングランドの小さな町アーンヒル。15歳のジョーは夕食後に家を抜け出そうとしたときに8歳の妹アニーに見つかったが何とかごまかして外に出た。炭鉱跡にジョーの同級生ニックとクリスとスティーヴンとマリーで探検にいった。地下へ降りて行って洞窟を見つけたがそこは人骨の墓場だった。そこへ懐中電灯を手にしたアニーが現れた。スティーヴンが骨を掘り出そうとしたときに虫の大群が飛び出してきて6人はパニックになり、誤ってスティーヴンが持っていた金てこがアニーに当たり頭から血が流れ出した。洞窟から4人が逃げ出したがジョーはアニーと逃げるときに石段で頭を強打し、気が付いたらアニーがいなかった。48時間後、奇跡的にアニーは戻って来たが、何があったか話せなかった。その2ケ月後、父親の車にジョーとアニーが乗り、事故を起こし父親とアニーが亡くなった。

25年後。ジョーは車で故郷アーンヒルにアーンヒル・アカデミーの正規教員として戻って来た。2ケ月前に受信したメールの件名に「アニー」と書かれていたためだったが送信者に心当たりはなかった。「妹になにがあったか知っている。同じことが起きようとしている。」と書かれていた。ジョーが故郷で教員になれたのはアカデミーのモートン先生が息子を殺して自殺したからだった。そして、ジョーが賃貸物件で借りたコテージはモートン家のコテージだった。ジョーの過っての同級生はスティーヴンが町会議員になり、ニックは配管業を営み、マリーはスティーヴンの妻になり、クリスはアカデミーの校舎から身を投げて死んでいた。モートン先生の息子も亡くなる2ケ月前に行方不明になり、24時間後に戻って来たが先生は息子じゃないと言った。ジョーはギャンブルにハマった時期があり3万ポンドの借金があった。そのため職を得るために前任校の推薦状を偽造していた。アーンヒルには不気味な歴史があった。たくさんのひとが亡くなっても墓地には90件しか埋葬されていなかった。死者の数に対してお墓の数が足りない。そして、炭鉱跡から人骨。行方不明になり戻ってくると人が変わったようになる。そして、数か月後に死ぬ。

過去は現実ではない。自分が現実だと思い込んだ物語でしかない。そしてときに人はウソをつく。この物語のトリックはなかなか巧妙だ。


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