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読書を楽しむ「雪舟えま パラダイスィー8」

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嫁さんの弟から飛行船をもらった

飛行船の名はParadisy 

久野弱(じゃく)は妻の麗が血を吐いて緊急入院してレントゲン写真を見たとき彼女の胸には小さな石が数十個も散らばっていて、それが原因で彼女は2000年12月にこの世からいなくなった。2001年元旦より日本は「未来日本国」に名を変えた。新婚の妻に先立たれ1ケ月が経過し文字焼屋で双子の弟の醜(しゅう)と飲んでいる。弱は幼稚園の送迎バスの運転手の仕事を辞め、新聞と牛乳の配達も辞め、宅配物の仕分け仕事も辞めた。弱は死んだあと麗が毎日夢に出てくると醜に話した。アパートに帰り、こたつの中でうたた寝して、気が付くと弱はベンチで麗に膝枕をしてもらっていた。彼女は本を読んでいて弱に話しかけた。ふたりは生前と同じように言葉を交わした。目覚めると、部屋にひとりきりだった。散歩に出て競技場の芝生に寝そべってウトウトしたら、となりに麗がいた。ふたりはドライブして訪れた牧場にいた。麗からわたしの実家へ行って、おもちゃをもらってと言われる。実家には麗ママと弟のイタルさんがいた。おもちゃの話をするとイタルさんがイギリスにオークション旅行したときに古い型の飛行船を手に入れた。置く場所がないという理由で弱がもらえることになり散歩コースにある競技場に置くことにした。日本は世紀末にある過ちを犯し国名が変わり、競技場はミサイルが撃ち込まれ外壁が壊れ荒廃して使われずにいた。そしてラグビーボール形の飛行船「パラダイスィー」が競技場にやってきた。ほんの少し不思議な世界に暮らす心優しき人々の物語はこころが暖まる。


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