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読書を楽しむ「池井戸 潤 半沢直樹 アルルカンと道化師」

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東京中央銀行大阪西支店勤務の半沢直樹に

大阪営業本部の伴野調査役から大阪西支店の

取引先仙波工藝社買収の話が持ち上がる

仙波工藝社は100年近く続く美術系出版社であった。社長室にはコンテンポラリー・アートの巨匠・仁科譲のリトグラフ「アルルカン」が壁にかかっていた。出版不況で看板雑誌「ベル・エポック」を除いては赤字だった。調査役の伴野は工藝社の仙波社長に業績が悪化すれば融資も難しくなると言い、御社を売却するつもりはないかと聞いた。東京中央銀行はこの春から企業売買を成立させると本支店に業績考課上のボーナスポイントを加える制度を導入した。頭取がM&Aを将来の目玉にしたいという話に業務統括部の宝田部長が賛同して、同期の和泉副部長が同じく同期の大阪西支店の浅野支店長に申し入れがあり、インターネット関連の新進企業のジャッカルの田沼社長が買い手だった。田沼の趣味が絵画のコレクターで仁科譲のスポンサーでもあった。その仁科譲は3年前に自殺をしていた。仙波工藝社から融資課長の半沢に2億円の融資の依頼があり、半沢は稟議申請をしたが浅野支店長は買収案件を断り、2期連続で赤字になることに懸念を示した。そして業務統括部の宝田は和泉と浅野支店長に融資が難航する秘策を授けた。それは5年前に工藝社が堂島商店という会社に貸し付けていたお金が焦げ付いて融資部では計画倒産ではとの疑いを持っていた。またジャッカルは買収に対してのれん代15億円を上乗せすると申し出た。適正価格以上の買収額に半沢は何らかの意図があるのではと疑い始めた。そんな折、取引先から銀行取引を切られる事態が発生し支店長は半沢にその責任を擦り付け査問委員会が開催された。半沢は駆け引きの天才でこのピンチに組織の論理と人脈を駆使して敵とみなした者たちを潰しにかかった。

久々の半沢直樹の物語はアルルカンの秘密まで絡んで懲罰人事までことは進んだが、そこは半沢直樹という面白さでした。緊急事態宣言のGWにお勧めです。


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