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読書を楽しむ「新川帆立 剣持麗子のワンナイト推理」

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都内の大手法律事務所で働く剣持麗子

専門分野は会社間取引のはずが

深夜に一般人相手の「一般民事」の

相談に乗る羽目になった

新人弁護士の採用活動で受験生たちを会食に誘い出し、事務所に戻ったのが夜の10時半。事務所に電話があり「新宿の進藤不動産の主人が何者かに殺害され、第一発見者は武田信玄を名乗る20代の男性でそちらの番号に電話して弁護士を呼んでくれ」ということだった。20代の男性は村山弁護士に電話をしたつもりだったが村山弁護士は先日亡くなり村山の死に思うところがあって業務を引き継ぎしたのが剣持麗子だった。新宿警察署に呼び出され、武田信玄から渡された名刺はホストクラブの名刺だった。武田は家賃の支払いを滞納していて立退きを要求されていた。深夜に進藤不動産に忍び込んで契約書を奪うつもりだったが入口のガラスドアに鍵がかかっていなくて電気がついていなかったのでスマートフォンのライトで照らしたときに進藤の死体を発見し警察に連絡したと供述した。武田の本名は黒丑だった。電気のスイッチからは指紋が2つ検出されていた。(第一話)

ホストクラブの黒丑は麗子に弁護報酬を払うと言って午前1時過ぎに歌舞伎町の喫茶店に呼び出した。ロッカーに入れておいた給料袋が盗まれたと言い訳され土下座された。その時、黒丑のスマートフォンが鳴り出し「先輩ホストが殺人事件の犯人にされる」と言った。雑居ビルにある「バー翼」で源氏名・織田信長が死んでいた。信長は同僚の明智光秀と店に入り、光秀が酔っぱらって店で寝てしまい起きたら信長が死んでいた。信長は光秀を受取人にした保険に入っていた。給料盗難と殺人事件の関連を暴く麗子。(第二話)

法律事務所恒例の運動会が実施され、その後、宴会になったが会場に峯口先生が現れなかった。ロッカーで電話していたと誰かが言ったので同僚が男子ロッカーへ向かったら海老のように身体を丸めて峯口が死んでいた。ロッカールームのベンチの横にナッツが落ちていた。峯口はダイエットのためにナッツを食べていた。物を喉に詰まらせると神経性ショックを起こして、心臓とか呼吸が止まってしまうことがあることを麗子は知っていた。(第三話)

これまでの事件で顔見知りだった橘警部補に午後9時にオープンカフェに呼び出された。麗子の助手として働いてる黒丑が峯口先生が亡くなったときにロッカールームの電気がついているのを見て、消して帰ろうとして峯口が倒れているのを発見していたらしい。橘は黒丑について素性を確認した。麗子は帰り道で70歳は超えている老婆に出会った。老婆のカーディガンの裏側にメモ用紙に油性ペンで書かれた住所が安全ピンでとめられていた。その住所まで麗子は橘と出向いた。2階建ての古びた建物で部屋に入ったら男がぶら下がり健康器で首を吊っていた。男は香川県の牧田原信二で実家に両親も健在だった。牧田原は夕方、黒丑に電話をしていた。(第四話)

ある5階建てのビルを持つ男が弁護士を探していた。男はすべての活動を違法に行いたいと考えていた。そのために優秀な弁護士を探していた。依頼されて男は息子を使い候補を探していた。息子が黒丑だった。そして候補の弁護士は麗子だった。(第五話)

図書館でのこの本の予約は70人待ちだった。一話単位にサラッと読めて読後はなんとなく納得してしまう。ひとに騙されやすいひとにはお勧めかも知れない。


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