読書を楽しむ 「いま中国人は何を考えているのか」
話の始まりはスターバックスコーヒーからでした。
地域によって接客対応が違うと作者は書いています。
上海では日本と同じで違和感がないが北京では客の注文を
無視するらしい。
中国人は日本に対する感情を誤解した方向で教育されてきたが
中国人旅行者に対する規制緩和で自ら日本社会や日本人を
体験すると日本は軍国主義ではないとこを理解するらしい。
インターネットを通して外国とのかかわりが増えて中国の
役人は脅威に思っているらしい。
ネット利用者は5億人いて政府の言いなりに報道する新華社と各種メディアよりも
言論の自由が許されるネットを閲覧し言いたいことを言うように
なってきた。
中国では人権活動家がノーベル平和賞を受賞しても中国メディアは
この情報を報道できない。
報道すると多額の罰金や左遷、政治権利の剥奪が課される。
だから中国国民の80%以上が作者の感覚ではこのことを知らないと
書いている。
あるときは大国、あるときは新興国いう使い分けをしていると作者は
書いています。
それくらい中国人は「ああ言えば、こう言う」というコミュニケーション術
に長けている。
中国は社会全体に監視ネットワークを張り巡らして政府への不満を
監視しているが不満を全て消し去ることができないため民衆のガス抜きを
行う。
党のルールに従うものは仲間で、背くものは敵だと判断される。
だから中国国内で日本を批判することは政治的に正しいという方程式が
成立する。
中国の一人っ子政策でこどもは、親から、先生から、政府から勉強して、
いい大学に入れば将来幸せな生活を送ることができると言われてきたが
大学を合格しても就職もできないと現実を知りデモが発生している。
学生は日頃の不満を反日デモでガス抜きをしている。
労働者も権利意識が向上しているが社会に対する義務意識や責任感が
薄らいで自分さえ良ければ何でもいいという思いが蔓延していると作者は
書いている。
中国という大家族を政府という親が統治し国民を食わしていくために
ルールを定めて国を治めてきたがインターネットの存在によって家族は
他所の家族のことを知るようになりガバナンスが綻び始めて、不満が
出るとガス抜きをして対応している。
家族も教育のレベルによって生活の質が向上したひととしないひとで
格差が出てきている。また親がこどもに言っていたことが必ずしも
その通りにならないということをこどもが気がついた。
親が他所の家族に対抗できるブランドを持っていないということも
課題になっている。
大家族を養う難しさを学んだ。