読書を楽しむ「馳 星周 ラフ・アンド・タフ」

風俗嬢と息子のために命を賭けた男の物語

ケンちゃんが「賞金稼ぎってカッコよくね？」と浩次郎に言った。
「いいっすね」と浩次郎が気のない返事を返す。

そして、ふたりは闇金業者の成瀬に聞いたら、借金を抱えたまま
夜逃げした連中を捕まえるのが賞金稼ぎだと教えられる。
そして、借金取りから逃げている男を捕まえ成瀬からギャラ2万円を
受取る。ふたりは1ケ月で8万円を手にした。

ケンちゃんが繁華街で知り合いの拓郎を見つけ、金貸しの藤田と言う
男が風俗嬢に貸した金が回収できないでいるとこを耳にする。
ふたりは風俗嬢の源氏名がみのりでファッションヘルスで働いている
という情報を掴む。
ケンちゃんは、ムショ仲間の和田が風俗に詳しいのを思い出し女の
居場所を依頼する。
ふたりは金貸しの藤田と話しをして賞金額を決める。
和田の情報からみのりが名古屋にいることを突き止める。

ケンちゃんは、みのりがいるお店に予約を入れ彼女をラブホに呼び出す。
そして、女に「踏み倒した金、返してくれ」というと、女は「早くズボンと
パンツおろして」といいＳＥＸがはじまる。
みのりの本名は甘利早紀子といい27歳でこどもがひとりいた。
女は、ふたりを自分の１ＤＫの古いマンションへ連れて行く。
女の通帳を調べたら残高が20円だった。
スマホを調べて女の男を突き止めたが男は女が風俗で稼いだ金を
自分のために使っていた。
女は宮城出身で震災で騙されて3000万円の借金を暴力団からして
いた。

ケンちゃんは、どんどん情が移り、女とＳＥＸしながら「おれの女だ」と
主張するようになる。
やがて、5億円の強奪事件にムショ仲間が絡んでいることを知り金を
女の借金返済のために奪おうとするが甘くはなかった。

借金にヤクザに現金強奪などヤバイ世界に足を踏み込んだ男が
ひとりの風俗嬢に惚れて、その息子を自分の家族だと信じ助け出そうと
努力するが、さてさて結末は読んでのお楽しみ。