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映画を楽しむ「エデンより彼方へ」

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古き時代の慣習に翻弄された主婦の人生

現代に生きる我々は比較的自由だと思う。
これが戦中であればひととしての自由など無かったはずだ。

1957年のアメリカ。
黒人差別や女性は夫に従うという時代であり、ホモ・セクシャルは
タブーであった。

ニューイングランドで暮らすキャシーは電気会社の重役の夫フランクと
一男一女の4人家族で広大な敷地の中の屋敷に住んでいた。
屋敷には黒人のメイドがひとりいた。
キャシーは何一つ不自由のない生活を送っていた。

ある日、夫のフランクは映画を観た帰りにふたり組の男の後をつけて
ホモバーへ入っていった。
フランクはある晩、残業だと言ってキャシーに電話をした。
キャシーは差し入れを持って夫のために会社へ行き、部屋で夫が
見知らぬ男とキスしているのを目撃する。
フランクはキャシーにホモだということを告白し医師の診察を受け
病気が治るように薬を飲むようにするが副作用でイライラするようになる。

キャシーは美術館で庭師の黒人レイモンドと話をする。
このことが街の噂になる。

フランクは、投薬されている薬のせいでキャシーを殴ってしまう。

翌日、キャシーの家に庭師のレイモンドが来て顔のあざを見て
気分転換に紅葉見物に誘われ出かけるが黒人専用の食堂で
ふたりで食事をしている光景を知人に見られ夫からも叱られる。

夫は、自分のことや妻の黒人問題のことを忘れるためにバミューダ
への旅行を提案し家族で出かける。
プールサイドで寛ぐフランクを見つめる男がいて、男はフランクの後を
追い部屋に入る。
旅行から戻りフランクは病気が再発したことを告白しキャシーは離婚を
口にする。
キャシーは庭師の元へ行くがレイモンドは黒人差別で娘もいじめを受けた
ことでボルチモアへ金曜に列車で引越しすると告げる。

金曜日、こども二人を車に乗せ自宅を出たキャシーは駅に向かいプラット
ホームでレイモンドを探し言葉を交わさず手を振る。
そして、列車を見送りキャシーはどこへともなく車を走らせる。

原題は「天国から遠く」

キャシーがこの後、どうなったか誰も知らない。
こういう映画を観ると今の自分はいい時代に生きていることに感謝する。


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