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読書を楽しむ「米澤穂信 いまさら翼といわれても」

CIMG8783.JPG                                    神山市が主催する合唱祭の本番前                                              ソロパートを任されている千反田えるが                                              行方不明になってしまった                                                 千反田えるは家で楽譜を見ながらオルガンのキーに指を乗せ、旋律を口ずさんで                                    いました。                                                                   「える」と父が呼ぶ声がして「仏間へ来なさい」と言われる。                                   父の用件とはなんなのか。                                                   それを知ることが理由もなく恐ろしく感じられた。                                                                             


神山高校の古典部に部員4人が久しぶりに揃った。                                     折木、千反田、伊原、里志の4人は高校2年生。                                       伊原は漫画研究部を退部していたが漫画を描いていた。                                            千反田は家を継ぐという目標がはっきりしていた。                                       文化祭に向けての打ち合わせを明後日にしようとしたら千反田が神山市出身の                             作曲家を記念した合唱祭に出るため日程は後日決めることになった。                             合唱祭の当日、伊原から折木に千反田が来ていないので探している                                 という電話があった。                                                          会場の市民文化会館へ折木は出かけ控室にいったら部屋には伊原と老婦人・横手                                  しかいなかった。                                                   千反田はソロで歌うので行方不明では洒落にならなかった。                                                 横手は千反田と同じバスに乗って一緒に控室まで来たが、気がつくといなく                                              なっていたと言った。                                                         千反田は携帯電話を持っていなかった。                                         時計を見ると千反田の出番まで残り1時間45分。                                                  折木は文化会館の傘立てからヒントを得て、横手が嘘を言っていると推理する。                  千反田の居場所と来ない理由は何なのか?                                 高校生の心の中の叫び、それは「いまさら翼といわれても」。                      それでも千反田に言ってあげたい「ひとは毎日悩みながら生きているんだ」と。              想いを伝えられるひとがいるだけ千反田は救われる。