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読書を楽しむ「中山七里 毒島刑事 最後の事件」

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捜査一課麻生班所属の刑事・毒島真理 

階級は警部補、刑事としての勘は抜群、捜査手法は鉄壁

捜査員としての評価は高いが問題があった

皮肉を言わせれば日本一、毒舌に至っては天下一品 

大手町に勤めているサラリーマンが銃撃され殺される事件が連続して発生した。エリートサラリーマンばかり狙われたので毒島はエリートに憧れて挫折し、性格をこじらせ、他人を逆恨みし、人の道を踏み外した男を犯人として逮捕したが犯人は教授と呼ばれる男に教唆され犯行に及んだ。大手出版社へ己の理想と生き様を綴った畢生の大作を認めてもらえず爆破事件を起こした犯人も爆弾の知識は教授と名乗る人物から得ていた。結婚相談所を利用していた女性が顔に液体をかけられ火傷をするという事件が発生した。被害を受けた女性は3人で同じ結婚相談所で婚活をしていた。犯人を捕まえてみれば相談所の女性だった。白馬の王子が現れないまま自分が歳を重ねていくことに恐怖と不安を感じていた。3人の女性は婚活パーティで男性会員を食い荒らしていたので排除する目的で火傷を負わせたが薬品の入手方法などは教授から教えてもらっていた。息子を惨殺された父親は裁判で犯人たちが物的証拠不足で懲役5年の判決に不満を抱いていたが涙を呑んで耐え忍んで歳月が流れた。父親は認知症患者になっていたが誰かが息子を死に追いやった犯人の居場所を教え市販の殺鼠剤を注射して殺しをしていた。この事件は父親を陰で操縦している人物がいると毒島は睨みデーサービスの介護職員が犯人だった。彼女も大学に入るまでは優等生で将来を嘱望されていたが、一流企業の入社試験を受けたら不採用の過去があった。そして、自分が働いている介護施設に犯人のひとりが入所していて犯罪者の汚物を処理していることが動機だったが裏には教授が存在していた。犯人たちはいずれもネット上で教授と知り合っていた。教授はこれと思った獲物を見つけては悪意を吹き込み、扇動し、獲物と他人が破滅していくのを喜んでいた。毒島は「胸糞の悪い奴」だと言った。他人を支配しようとする人間の特徴を学ぶことができます。


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