読書を楽しむ「泉 麻人 還暦シェアハウス」
松木利夫は還暦手前の59歳 吉祥寺の自宅の一室でライターの仕事をしている 妻と娘の3人暮らしだったが 娘は2年前に留学、妻はとある事情で出て行った 妻の奈保子の実家は博多の老舗の料亭で昨年母親が狭心症で倒れて親の介護を するために実家に出かけ、利夫が59歳の誕生日の夜に「しばらく別々に暮らし ましょう」とメールがきた。 妻が出て行ってひと月が過ぎた頃、利夫も居場所を変えようかと考えていた。 不動産関係のサイトを眺めて目にとまったのがシェアハウスだった。 最初に見た物件は表参道のシェアハウスだったが若い男女が7.8人住んでいた。 中高年専門のシェアハウスを希望したがその不動産屋は扱っていなかった。 7月の始めにサイクリングに出た。 鈴木街道と呼ばれる道に出た時に(この先、シェアハウス)という手書の木札を 見つけた。朱色の三角屋根の洋館を見つけた。(シェアハウスR55)。 中に入って行くと老いた女性がいてオーナーの甘粕と名乗った。 ハウスには年代物のジュークボックスが置いてあり、松木は引っ越しを決意した。 賃料が8万円で部屋は8畳だった。 このシェアハウスの住人は見城、渡瀬、設楽、ジョナサン。 見城は野菜畑のプロデューサーで、渡瀬は66歳で気象予報士を目指して勉強して いた、設楽はビールの営業マンをしていて来年定年だった、ジョナサンは 元レスラーだった。 住人同士のハロウィーンパーティーやクリスマスパーティー、ツチノコ狩りなどの 交流が描かれている。こういう体験もいいもんだというお話でした。