読書を楽しむ「ソナーリ・デラニヤガラ 波 WAVE]
2004年のクリスマスの翌日 スリランカを襲った大津波 夫と息子たち、両親を一度に失った女性経済学者 彼女だけが生き残った これは自らの経験を記した回想録 2004年12月26日スリランカにあるヤーラという国立公園内のホテルにソナーリは 夫とふたりの息子と両親で滞在して4日間を過ごしていた。 幸せな家族で過ごしてきても、世の中一寸先には闇がある。 何があっても不思議ではない。それは家にいても旅に出ても同じことだ。 この回想録には彼女が友人とホテルで話をしていたときに友人が「たいへん、 海が入ってくる」と言ったところから、夫に声をかけ、息子に声をかけ表のドアに 飛び出したが、両親には声をかける暇もなかった。 危険を知らせるために叫ぶことをしなかった、それは走り続けなければならない ことが頭の中で優先された。 このために彼女は長い時間をくよくよして過ごした。 その彼女が5年の歳月を得て、失ったひとたちが輝いていた頃を見るようになり、 少しずつ自分を回復することができるようになるまでの実話。 読者によってとらえ方は様々かもしれないが、何があっても気を取り直して 生きていけということを感じた。