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読書を楽しむ「タンクレード・ヴォワチュリエ 貧困の発明 経済学者の哀れな生活」

CIMG8086.JPG                          はじまりは衝撃的だ                                      海洋生物学者のジェイソンの勃起した性器の写真が                                        研究室で回覧され大学を辞める                                         このジェイソンの離婚を何回も担当した弁護士がスティーブ                        スティーブは岬に家を持っているが売りに出していた                                   この家を買いたいと考えていた人物が経済学者のロドニー                       ロドニーは世界を貧困から救うことで                                       栄光と財産を手に入れる野望を抱いていた                                  スティーブの岬の家の近くの物置小屋にジェイソンは住んでいた                                ジェイソンの友人にガソリンスタンドの経営者のグラハムがいた                   ロドニーはハノイのカフェでのちに妻となる女性ヴィッキーと出会った                         ジェイソンはヴィッキーが結婚する数週間前に大学の講義で顔を合わせ                                 彼女に恋をした                                             貧困の撲滅が本当に行われたら、それに関わる人々の                     ビジネスはお手上げになる                                 そこでロドニーは貧しい人々を増やす統計方式で”貧困の発明”をした                                              ロドニーはヴィッキーのために家を手に入れ、岬の自宅でパーティーを開いた。                  ジェイソンとグラハムもパーティーに招待された。                                 ジェイソンはヴィッキーを物置小屋に誘った。                                結婚したロドニーはヴィッキーを貧困から救い出したと思っていたが彼女は英語が                                話せるようになり、外出が増え、遊び、飲み、踊るようになった。                            ロドニーは彼女に振り回されていた。                                                        ロドニーは国連の事務総長の特別顧問として名声を得ているが、男として女性を                 悦ばせることが出来ず、経済学者としても力はイマイチで世界の貧困者数も以前に               比べ減少傾向にあり、企業からの寄付も集まらない状況になっていた。                         そこでロドニーはジェイソンが独自の計算式を使って魚の数を数える仕事をしている                と知って、世界の貧困者の統計数を操作するためにその計算式を伝授してもらった。                        ロドニーは国連総会の開会演説で各国間における貧困の新たな分布状況の概要を               発表することになった。                                        彼は「貧しい人々の経済生活」と題する原稿を書き、貧困の新しい計算方法は               二人の貧困者ー一人の貧困者=1.5人の貧困者とした。                         これこそがロドニーの親切めかした顔の裏にある偽善的な貧困の発明だった。                哀れな経済学者のお話は、世の統計数字がいかにいい加減かと言っている。                そして、貧困は上手にビジネスに利用されている。


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