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読書を楽しむ「ロバート・ルイス・スティーヴンソン 眺海の館」

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若い頃、世捨て人のように生きていた男フランク・カシリス

スコットランドのグレイドン・イースターの大地主で尋常ならぬ激しい 気性のもち主R・ノースモア

ふたりは大学で知り合い、お互いに人間嫌いという共通点を持っていた 

グレイドンの屋敷は、北海の岸から3マイル入った侘しい一帯に建っていた。兵舎ほどの大きさで軟質の石造りで内側からすきま風が入り、外壁は崩れかけていた。この屋敷とは別に、植林地と海に挟まれた荒涼たる砂地の草原と砂丘の中に、当世風の設計の望楼のような、海を眺める小さな館が建っていた。ふたりは、この館でノースモアが学位を取り、カシリスが大学を中退した時、冬の4ケ月を過ごしたが3月のある夜にふたりの間で諍いが起こり、カシリスは館を去った。

9年後、カシリスはグレイドン海岸林に野宿し、翌日、眺海の館に明りがひとつ灯っているのに気づいた。海を眺めたら大型の帆船が浮かんでいた。そして、夜中に帆船から人が下りてきた。ノースモアの年老いた乳母だった。夜が更けるにつれ衣装箱を運ぶ水夫が4人とランタンを手にしたひとりが下りてきた。最後に眺海の館に招かれたと思われる長身の男と年若い娘が通り過ぎた。カシリスは自分の存在を知らせるためにノースモアと叫んだら彼はカシリスの心臓めがけて短剣を振り下ろしてきたのでカシリスはすばやく逃げた。

眺海の館を訪れた客人を迎えるのになぜ真夜中なのか?なぜ極秘に行われているのか?彼はなぜ自分を殺そうとしたのか?カシリスはこの不可解な謎を探ることをはじめた。意味深なストーリー展開で先が読みたくなるようになっている。スコットランド生まれの作家の小説ははじめてですが秋の夜長に興味をそそります。人間の欲やエゴがひとを狂わせ周囲を巻き込んで悲劇をもたらす。


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