映画館で映画を楽しむ「仕掛人・藤枝梅安」

池波正太郎生誕100年記念映画

仕掛人の非情な世界

仕事を依頼されたら実の妹であっても

死は免れない

品川台町の藤枝梅安にはふたつの顔があった。腕の良い鍼医者の 表の顔と、“蔓（つる）”と呼ばれる裏稼業の元締から金をもらって、生かしておいては為にならない奴らを 闇に葬る冷酷な“仕掛人”の裏の顔だ。ある晩、仕掛の後、仕掛人でもある楊枝作りの職人・彦次郎の家に泊った梅安は、帰り道、浪人・石川友五郎が刺客を斬り捨てる場面を目撃する。刺客が死んだことを確かめ、医者が出る幕ではないと悠然と立ち去る梅安を、浪人はにらみつけていた。その後、梅安は蔓である羽沢の嘉兵衛から料理屋・万七の内儀おみのの仕掛を依頼される。三年前、万七の前の女房おしずを仕掛けたのは他ならぬ梅安だった。梅安は、万七の女中おもんと深い仲になり、店の内情を聞き出す。おもんの話では、おしずの死後、おみのが内儀になってから、古参の奉公人たちが次々と去り、店の評判は落ちているのに儲けだけはあるという。おみのは店に見栄えのいい娘を女中として雇い入れ、客をとらせているのだった。おしず殺しの依頼人はおみのなのか...殺しの起り(依頼人)の身元を探るのは、仕掛人の掟に反すると知りながら、梅安は三年前のいきさつを知りたいと思い始めた。そして、初めておみのの顔を見た梅安は息を吞む。それは梅安に暗い身の上を思い出させる対面だった...。(公式サイトストーリーより抜粋）

それぞれの元締めから殺しの依頼を受ける梅安と彦次郎。お互いの生い立ちは一切話さない。梅安は藩士の妻を手籠めにする上司を水中で始末する。彦次郎は昔の仕事仲間を始末する。彦次郎はほかにも手強い浪人の始末を元締めから依頼されるが浪人の住処で梅安と一緒になりことの真相を知る。梅安は料理屋の女将の殺しを依頼される。浪人の始末を依頼した元締めの後ろには旗本が控えていて浪人は元家来で旗本の横暴に職を辞して浪人になっていた。世の中には殺しを頼む人がたくさんいる。そして、ことの真相を知ると邪魔者は消せという悪い輩もいる。さっぱり観ることが少なくなった時代劇が帰ってきたという感じで楽しかった。映画の終わりに第二作目の予告的な場面が紹介された。それは梅安と彦次郎が大阪へ向かう道中でひとりの侍の顔を見て、彦次郎の形相が変わった。その意味を知るには4月に第二作を観なければならない。

2023年2月24日（金）若い頃は明日がどうなるかと考えもしなかった

生まれて18年や20年では明日がどうなるかと考えもしない

それは、明日も生きているのが当たり前だと疑っていないから

そして、社会へ出ると事故で亡くなる人や自殺する人

親しい人の死に目に遭うこともあり

明日がないことがあると思うようになる

それはいつ死ぬか解らないということでもある

70代に入ると身近な人ががんや認知症になり、知っている芸能人が亡くなったりする訃報をTVや新聞で知る。細君は2回目の抗がん剤治療を終了して今朝は元気に起きてきた。薬でムカムカを抑えていると言っていた。医学の進歩で病人が楽に生活できるようになることは歓迎できる。朝食をつくり細君と食べる。やっぱり自分の家が一番いいと言っていた。

 

トマトジュースをかなりの期間飲んでいるが血圧の数値が基準値になることはない。ゴミ出しをして、洗濯物は細君の入院中のものがあり干すのに苦労した。新聞を読んで過ごしたら昼になった。近所のパン屋でパンを購入し食べた。ウクライナの戦争も1年を経過した。戦場にいたら明日はどうなるかわからない。

　　

13時半過ぎに細君の運動を兼ねて買い物へ出た。夕食は刺身になった。家に戻り洗濯物を取り込んだ。

　

読書で過ごし、点眼の時間になり、点眼して、晩酌して、マグロとイサキの刺身で夕食を食べた。

喜劇映画を観ながら過ごし、風呂に入り、ブログの更新をして、ごきげんようおやすみなさい。2/23時点の地元の感染者は３名。2/24時点の実効再生産数は0.88。安心できる0.5まではまだまだ時間がかかりそうだ。

 

   

読書を楽しむ「山田詠美 私のことだま漂流記」

自伝めいた小説を読んだ

作家「山田詠美」はどのように

生まれたのかが書かれている

彼女には家族のみんなが戻れる家がある。ここにさえいれば大丈夫という家だ。家族に自分を失わせてはならないからこころの気持ち（フィーリング）を言い表す言葉を見つけながらものを書いている。作家になるきっかけは大学生の時に売れない漫画を描き、水商売のアルバイトをして、そのうち大学に通う余裕もなくなり、宇都宮の実家に戻った。そこで毎日ゴロゴロしていて新聞を読んだら「生きていく私」という84歳の宇野千代の連載記事を読んだのが本を読むきっかけになった。やがて読むだけではダメで小説を書き始めたが書く志に誤りがあり、何を書いたらいいかは宇野先生の言葉で目覚めた。「あなたの眼に見えたこと、あなたの耳に聞こえたこと、あなたのこころに浮かんだこと」を書くのです。そして書いた百枚の小説がデビュー作の「ベッドタイムアイズ」だった。米軍基地からの脱走兵としがないクラブの歌手のラヴストーリー。

小説は作家の自分だけの言葉を駆使して作り上げた世界の話。それは、虚構に見えるだろうが、それを支えているのは作者の真実という「根」であり、そこから吸い上げられた水や栄養が、才能という「葉」を茂らせる。この本は作者が自分の「根」と「葉」に影響を受けた言霊（ことだま）の正体を探るという内容で1日で一気読みできる。ことだまとは、古代日本で言葉に宿っていると信じられていた不思議な力のことである。

気楽にジャズでも聴きながら読めばすぐ終わる。