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読書を楽しむ「クリステン・ルーベニアン キャット・パーソン」

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スマホ越しのロマンスで盛り上がった男と女のデートの顛末

男はロバート、女はマーゴ

木曜日の夜。ダウンタウンにあるアートシアターの館内の売店でマーゴがバイトをしているときにロバートがポップコーンとグミ・キャンディを買った。マーゴはロバートをキュートだと思った。次の週も彼は売店に来てグミ・キャンディを買って、映画が終わると売店に戻ってきて、電話番号を教えてくれないかとマーゴに言い、マーゴは教えた。ふたりはそれから何週間かスマホのインスタント・メッセージで冗談を言い合った。冬休みに入り彼女が帰省しているときも、ふたりは近況報告をノンストップでやりとりした。ロバートはミューとヤンという名の猫を飼っていると言う話をした。ふたりはマーゴが子どもの頃に飼っていたビタという猫を登場させ込み入ったシナリオをつくった。ビタはヤンに思わせぶりなメッセージを送り、ミューに対してはよそよそしい態度をとった。休みが終わり、マーゴはロバートに会う気まんまんだったが彼は仕事が忙しいと言って会わなかった。ロバートから映画に行こうと誘われ車で郊外のシネコンへ出かけた。車内でロバートはしゃべらず、マーゴはどこかへ連れ去られてレイプされ、殺されるという想像が頭をよぎった。映画館でもロバートは手を握ることもしなかった。映画の帰りにロバートは潜り酒場風の秘密めいたバーへ行ったがマーゴは入れず泣きべそをかいた。ロバートはマーゴにキスをしたがキスが下手だった。ロバートはマーゴを別のバーへ連れて行った。3杯目のビールを頼んだ頃、マーゴはロバートとのSEXを想像した。帰りにロバートの家に行った。キスをしながらマーゴは自惚れに満ちた幻想にひたっていたがバイト先の映画館で知り合った男とSEXを済ませてしまうことを想像して、おかしくて吹き出してしまった。寮まで送ってもらいキスをされたとき、この関係がいつまで続くのかマーゴは脳内彼氏にもうやだと訪ねた。スマホ越しのロマンスに身を焦がした女子大生のデートの顛末はロバートからメッセージが届き「この売女」と書かれていた。どっちもどっちでいいも悪いも言えない。


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