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読書を楽しむ「久美沙織 いつか海に行ったね」

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美しい海の景色とやさしい題名と裏腹に

恐ろしいカビで日本が滅亡するという話

近未来の日本の小学校で2年生が喧嘩して校長室へ呼び出される。
ひとりはガキ大将の高山永治、ひとりは内気な性格の女の子小中千博。
喧嘩の原因は千博が絵日記に「みんなで楽しく海に行きました」と書いた。
永治は、「千博が嘘を書いている」と言った。

近未来の日本の女性の平均寿命は42歳。
ひとびとは人工的な建築物の中で育っていた。
昼間の外出は日光を遮断する車と遮断スーツが必要だった。
そして、夜しか知らない生活をしていた。

文庫本の表紙や題名からは想像できない内容。
日本に何かが起こったことを想像させる。
そして、物語は過去へ遡る。

1996年10月福島 29歳の建設会社の営業マンがガン宣告を受ける。
1997年2月群馬  守口真紀子は夫の死と流産に直面していた。
1997年4月新潟  小中博行は大量の野鳥の死骸を発見した。
            老人からアスペルグルスという病原菌で七面鳥が
            過去に大量に死んだ話を聞く。
1997年5月東京  舟和高徳が所有する賃貸マンションで老人が死んでいた。
1997年6月東京  鹿又綾子教授は老人の死亡原因と時期の特定をしていた。
            老人の身体から黒い気体が飛び出した。正体はカビだった。
1997年6月群馬  守口真紀子は母を亡くし、タクシー代が払えず、マンションの
            手すりから落下した。
1997年7月東京  鹿又綾子教授凶悪カビが人類の大半を滅ぼすと知る。
            駒込の法医学センターでカビの正体がアスペルグルスと判明。
1998年12月千葉 国立微生物研究所でアスペルグルス症を抑える薬物の副作用を
            確認する。太陽光線を浴びると人は死ぬ、このため46時中周囲を
            暗く保つことが必要と判明。

地球温暖化や二酸化炭素が原因で凶悪カビが発生したらという恐ろしい内容でした。
ありえない話ではないので気になるひとには一読を勧めます。

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