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読書を楽しむ「山野辺太郎 いつか深い穴に落ちるまで」

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運輸省の若手官僚・山本清晴は

日本とブラジルとを直線で結ぶことはできないかと考えた

日本の大地にブラジルへ続く、底のない穴を掘る新事業だった 

山本は敗戦を迎え、役所に勤め始めて考え、事業化が決定するまでに数十年の歳月を要した。この計画は相手のある話だったがブラジルからは拍子抜けするほど速やかに了承が得られた。日本ブラジル間・直線ルート開発計画は温泉を掘る技術で行われることになったが山本は事業化が決定する2ケ月前に膵臓癌で亡くなった。この内密の事業を請け負うために大手建設会社の子会社が設立され、鈴木一夫が広報係として入社した。会社は山梨県の山の中に作業場と事務所が用意され温泉を掘る技術によって、底のない穴を掘る作業が始まった。そしてある時温泉を掘り当ててしまった。温泉は作業員たちの疲れを癒す施設になった。地球の裏側のブラジルでも郊外のジャングルで工事が開始された。東日本大震災があり、リオデジャネイロ五輪あり、入社以来二人目の広報担当が入社した。鈴木は50代もなかばを過ぎていた。リオ五輪が閉幕して鈴木は上司から穴と穴がつながったとの報告を受けた。そして、鈴木がブラジル行き直行路線の最初の通行人に指名された。服装は水着着用となった。鈴木は長年追い続けてきたものの正体を、自分の体でつかみ取りたいと言って穴の中に落ちていった。興味を示したひとが読む本でした。


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