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読書を楽しむ「山下澄人 君たちはしかし再び来い」

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本を読んでいると訳のわからない世界へ迷い込むことがある

腹が痛かった。寝れば治るだろうと思っていたが寝て起きたら痛みがひどくなった。病院へ電話を入れてタクシーで病院へ行った。血液検査や点滴をされ緊急手術をして、診察室へいったら医者がお腹の中で犬が暴れてますといった。腹に分厚いガーゼが当てられ、ガーゼを外すと、腹の真ん中に大きな傷が見えた。その腹の左に何かいた。それは透明の袋が被せられていたが犬だった。年が明ける前に腹の痛みで救急に駆け込んだ。大腸に穴があいて大腸菌が漏れ出し腹膜炎を起こしていた。おわんのようなものを鼻と口に当てられ腹に人工肛門をつけられた。家の前で拾ったごえもんという猫が腹に縦に傷ができて大きな手術をし、人間の都合で生き延びた。新型コロナウイルスが蔓延しているときにわたしは再び病院にいた。入院は嫌いではなく、そのときのことを小説にしている。最初は「腹の犬」というタイトルを付けた。読むには読んだがわからない世界の中へ迷い込んで途方に暮れている。


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