読書を楽しむ「ダヴィド・ラーゲルクランツ ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 下」
背中にドラゴンのタトゥーのある女性ハッカー・リスベットは リスベットにとって大切な人、元後見人の弁護士ホルゲルを 殺害した犯人を捜していた ホルゲルは自分の身を守れない、寝たきりの老人だった だからリスベットは犯人に腹を立てていた ミレニアム5は、事件の背景にリスベットの過去の関係者が絡んで 元後見人が殺され、残された書類から探し当てた人物は双子でその ふたりもスキャンダルを抱えていた。 そして、もうひとつリスベットは刑務所内で兄殺しの罪で服役した バングラデシュからの移民ファリアを救おうとして刑務所を牛耳る ベニートとも対立していた。 また双子のひとりはファリアの恋人の不審死に絡んでいた。 リスベットはこどもの頃、双生児実験の道具にされていた。 同じように双子のレオとダンも双生児実験の道具だった。 1930年代のスウェーデンでは何百人もの双子が生まれ、別々に育てられ、 貴重な研究材料にされた。 どんな状況でどんな育て方をすれば良きスウェーデン人をつくれるか実験 するために双生児レジストリーのプロジェクトが作られた。 精神科医と社会学者がプロジェクトの研究対象に双生児を選び利用していた。 これらの事件に雑誌「ミレニアム」の記者ミカエルが首を突っ込んで真相を 暴き出すがリスベットとともに命を狙われる。 書き手と読み手のお互いが満足できる本書のような物語は「見えない犯罪被害者」 が必ず登場し、そのことに気づいたリスベットやミカエルが犯罪者たちと戦う という内容になっていてこれが私をひきつけるお楽しみのひとつでもあります。